食欲旺盛な5令幼虫たち! 兵庫県唯一の養蚕の現場から その3

前回の訪問では、ほんの赤ちゃんだった蚕たちが大きくなり、4令幼虫になって桑をしっかり食べるようになったという様子をお届けしました。その時の蚕たちの大きさは3~4cm。それから1週間たち、蚕たちは5令幼虫に成長していました。

5令幼虫に成長した蚕たち

5令幼虫に成長した蚕たち

前回よりふっくらとした様子が写真から伝わるでしょうか。そして長さはなんと8センチ前後にまで成長。わずか1週間で倍の大きさになりました。

桑の葉を収穫する原田雅代さん

桑の葉を収穫する原田雅代さん

時間は朝10時。兵庫県唯一の養蚕家、柿原啓志さんのお弟子さんである原田雅代さんは、この日2度目の桑の葉の収穫に勤しんでいました。
「今年は桑の葉の成長が早いので、春ですが、夏の取り方をしています。」
春の養蚕の現場では、桑を取るときに枝の下の方まで取ってしまうのが一般的です。しかし桑の成長が早い今年は「夏の取り方」で、上の柔らかい部分だけを切っています。

収穫の終わった桑の木の様子

収穫の終わった桑の木の様子

5令幼虫たちは食欲が旺盛です。取材に行った日は気温が低い日だったので、比較的食欲は落ちているということでしたが、それでも多くの桑が必要になります。

桑の葉の収穫を終えて蚕室に戻る柿原さん

桑の葉の収穫を終えて蚕室に戻る柿原さん

この日柿原さんが収穫した桑の葉は150kgにもなります。「これで大体1日分」。蚕が小さい時には一輪車にのる程度の桑で良かったのですが、5令にもなるとこのような農業車に山盛りの桑を収穫しなければいけません。この時期の桑とりは大切な大仕事なのです。

前回の記事と比べて、蚕たちのしめる面積、桑の多さが変わりました

前回の記事と比べて、蚕たちのしめる面積、桑の多さが変わりました

長年の経験と、記録したデータとを照らし合わせ、「今年は去年とおなじペースで大きくなっている。週明けの8日のお昼か9日の朝には上蔟(じょうぞく)するのではないか」と語る柿原さん。
上蔟とは、蚕が繭を作りやすいように、蔟(まぶし)と呼ばれる枠に蚕を入れてやることをいいます。

去年の記録と照らし合わせながら、蚕の成長を予測する柿原さん

去年の記録と照らし合わせながら、蚕の成長を予測する柿原さん

沢山の桑を食べて大きくなった蚕。繭を作り始めるまで、あと少しです。