栗農家の冬仕事
~大粒『丹波栗』生産の秘訣とは~

栗農家の冬仕事~大粒『丹波栗』生産の秘訣とは~

栗は、黒豆、大納言小豆とともに丹波の味覚を代表する産物です。
粒が大きくて甘みにも優れる「丹波栗」は、全国で様々なお菓子や食品に使用され、人気の高い一品です。

さてその甘みの強さ、粒の大きさや色つやを決めるポイントは何でしょうか。

栗の栽培・収穫に置いてその技術を高く評価されている、
「丹波市くり振興会」会長の河村修治さんにお話を伺いました。

お話を伺った「丹波市くり振興会」会長の河村修治さん

お話を伺った「丹波市くり振興会」会長の河村修治さん

「一番大切なのは、何をおいても剪定ですね。
葉っぱ全体に日光に当ててやることで大きな果実ができるので、欠かすことの出来ない冬の仕事です。

栗の樹は成長の勢いがあり、放っておくと大きな樹になってしまいがち。
すると、樹の手入れが難しくなるばかりではなく、日当たりが悪くなり、
栗の大きさや品質にも影響を及ぼします。

栗の剪定講習にて、真剣に話を聞く参加者。

栗の剪定講習にて、真剣に話を聞く参加者。

この日は、丹波市の中でも古くから栗の産地として名高い青垣町栗住野にある栗園にて、
栗の剪定講習が行われていました。

丹波市くり振興会、丹波栗生産組合の方々からなる多くの参加者が集まり、
話し合いながら栗の剪定を行います。河村さんたちの剪定を見ながら学び、
それぞれの持つ栗園でそのポイントを活かしていくことのできる、参加型の講習会でした。

剪定のポイントはいくつもあります。兵庫県の場合は、低樹高栽培といって
①樹高を3.5メートル以下に抑えること、
②樹と樹の間に十分な空間を開けること(上部は2.1m以上、下部では1m以上の)、
③実のなる枝の基になる枝(結果母枝:けっかぼし)を1平米あたりに7-8本に抑えることなどの
決まりがあります。

樹と樹の空間を開け、日当たりが良くなるように間伐、縮伐していきます

樹と樹の空間を開け、日当たりが良くなるように間伐、縮伐していきます

より大きな実が成る枝を見極め、その枝に日光が当たるように、日陰を作る枝を剪定します。
また、隣の樹との距離が近い場合は、縮伐(しゅくばつ)(樹の幅を狭めるように切ること)したりしていきます。
そうすることで収穫の量は一時的に減りますが、日当たりが改善され、大きくて質の良い栗が
取れるようになります。

話し合ってつけられた印をもとに、チェーンソーで枝を伐っていきます

話し合ってつけられた印をもとに、チェーンソーで枝を伐っていきます

今年だけでなく数年先を見越して、残す枝を話し合って決めた後は剪定作業に入っていきます。
切ると決められた枝は、大きなものであればチェーンソーで切っていきます。
大きな枝が危険な方向に落ちないよう、反対側からロープで引っ張って調整します。

動画 
https://www.youtube.com/watch?v=TmV4TzQU1DE&feature=youtu.be

栗の剪定のポイントを見極めるのは難しく、栗剪定士の認定には、2年の講習を受けて
実技試験に合格する必要があります。
それでも2012年には市内初の女性の栗剪定士が認定され、そのことからも関心が
広く高まっている分野でもあることが分かります。

今回の講習会にも、女性参加者の姿がありました。

今回の講習会にも、女性参加者の姿がありました。

栗の剪定講習にて、真剣に話を聞く参加者。

栗の剪定講習にて、真剣に話を聞く参加者。

「一番の楽しみは、大きいきれいなのができたと思うことです。
栗には子どもの頃から生活になじんでいるから、郷愁的なところがある、
そういうところが栗のいいところだと思います」そう語る河村さん。
大きい樹を切ったら「長い間ありがとう」と語るメンバーの方もいらっしゃり、
大きな関心の根っこには、栗の実りを楽しみに待ち、栗を慈しむ心があることを思わされました。

枝の切り口に鉋をかけている様子

枝の切り口に鉋をかけている様子

専用のボンドを切り口に塗布することで、虫や水分が入るのを防ぎます

専用のボンドを切り口に塗布することで、虫や水分が入るのを防ぎます