純丹波産のチーズ製造 飼育から販売まで 丹波市で唯一 春日の婦木農場

飼育するジャージー牛とともに、サンマルセランチーズをPRする婦木敬介さん=春日町野村で

飼育するジャージー牛とともに、サンマルセランチーズをPRする婦木敬介さん=春日町野村で

 

春日町野村の「婦木農場」が、同農場で飼育するジャージー牛から搾乳した牛乳で作ったナチュラルチーズ「サンマルセラン」の販売を始めた。飼育、搾乳からチーズ製造、販売まで一連の工程を自社で行うのは、丹波市内で唯一。チーズ製造を担当する婦木敬介さん(23)は、「サンマルセランは、熟成によって味の変化が楽しめるチーズ。チーズケーキなどにも使えるので、味わってみてほしい」と話している。
サンマルセランは、白カビタイプのナチュラルチーズで、フランスのリヨン近くが発祥とされる。時間の経過とともに熟成が進み、風味とコクが増すという。
ジャージー牛を4頭飼育し、子牛以外の3頭から搾乳。専用の工房でチーズ製造に取り組んでいる。チーズ製造に必要な乳酸菌と酵母菌の培養を婦木さんが自ら行うことで、発酵と品質の安定が図れるという。「地元の空気で培養することで、ここでしか出せない味のチーズになるのではと考えている」と話す。
三重県にある農業高校「愛農学園」を卒業後、静岡県の牧場で研修した婦木さん。そこでジャージー牛を譲り受け、「いつかはチーズ製造をしたい」と考え、実家で飼育することに。チーズ製造について学びを深めようと、大学でも北海道の「さらべつチーズ工房」で研修に取り組んだ。
昨年2月に帰郷。実家では、飼育していたホルスタインの数を減らしていた時期で、ジャージー牛によるチーズ作りに着手。「珍しいチーズを」と、あまり出回っていないサンマルセランを作った。
5月29日には、知人らを招いてチーズの試食会を開催。参加者の一人で、丹波乳業の吉田拓洋社長(41)=青垣町惣持=は、「チーズ作りは、発酵の安定が難しいし、同じ牛から搾乳しても日によって味が違うこともあり、品質を一定に保ちづらい。それに挑戦しているのは、確かな技術と努力があってのこと。オール自家製で取り組むのはすごい」と感心。婦木さんの父・克則さん(52)は「ホルスタインの飼育技術の蓄積があったからできること。農場としても、新しい可能性を広げることになったのでは」と言う。
婦木さんは「熟成庫もこしらえ、ゴーダチーズやブルーチーズも作りたい」と話している。
1個(80㌘)800円(税別)。原則、受注生産。生産量に限度があるため、早めの予約を。メール(fukifarm.order@outlook.jp)か、同農場ネットショップで注文する。同農場(0795・74・0820)。