山を守る男たち!~丹波市の林業の現場と現状・山編~

兵庫県丹波市柏原町の丹波林産振興センターの裏にある山

兵庫県丹波市柏原町の丹波林産振興センターの裏にある山

丹波市を大きく取り囲む、緑の山々。そこでまっすぐに伸びる、スギやヒノキ。丹波における林業の現場はどんな感じなのか。それを知りたくて今回は、柏原町の丹波林産振興センターにお邪魔させていただきました。

丹波農林振興事務所の小野山さんから里山の現状を聞いている様子

丹波農林振興事務所の小野山さんから森林の現状を聞いている様子

杉やヒノキのたくさん植えられている山は、基本的に「人工林」。戦後急激に木材が不足したことから、多くの人がこぞってたくさんの針葉樹を山に植えました。時代は流れ、スギの木の値段が下がると同時に、海外市場との価格競争の中で、人工林の整備は人手が不足し手入れが遅れている状況です。

自分の仕事を誇らしげに話す杉本昌義さん

自分の仕事を誇らしげに話す杉本昌義さん

そういう形で林業を支え続けて40年になる丸但木伐の杉本昌義さん、恭康さん親子と上山康成さんの三人にお話を伺しました。昌義さんは林業を2代目ととして受け継ぎ、恭康さんは3代目。こんな風に後継ぎがうまくついてきている「素材さん(丸但木伐さんのように、木を伐って木材の形にする人たち)」は丹波市でも3軒ほど。ほとんどは「一人親方」と言われる方が担っているのが現状なのです。

父・昌義さんの背を見て一人前となる息子・恭康さん

父・昌義さんの背を見て一人前となる息子・恭康さん

現場で一人前になるのには3年かかるのだとか。
恭康さんは8年目になるそうですが、「まだまだ勉強することがあります」と語ります。

山の地盤が岩盤になっていることもあり、大雨が降ると山が地すべりしてしまい、杉の木とともに土砂が流出してしまいます。そうなると木材としては使えなくなってしまいます。「どれくらい長く木として立っていられるか」それを見極めるのも杉本さんたちのお仕事です。

 計算通りに慎重に木を切り倒す上山康成さん

計算通りに慎重に木を切り倒す上山康成さん

計算通りに慎重に木を切り倒す上山康成さん2
計算通りに慎重に木を切り倒す上山康成さん3
計算通りに慎重に木を切り倒す上山康成さん4

木を切り倒す瞬間はチームワークが大事

木を切り倒す瞬間はチームワークが大事

80年近く育った林。ちょうどいい時期の木を見極めて、チェーンソーで伐っていきます。木の育った向きを確かめながら、くさびを打ち込む。そのことで見事に、伐られた木が「倒れる向き」を調整していきます。切り口も整えて、より美しい「材」にします。

見事なチームワークで木を切り倒した上山さんと恭康さん

見事なチームワークで木を切り倒した上山さんと恭康さん

「木は正直」と語る昌義さん。
「だから自分たちも仕事には正直でいなければいけない」多くの経験を経てきた山主さんとの信頼関係を築くためにも、杉本さんたちは「正直さ」を大切にしています。
「でも明るいうちに仕事して、夜になったら帰る、自然な仕事ができるのでストレスもないのがこの仕事のいいところだと思います。厳しいように見られますが、中は結構そうでもなかったりしますよ」山の中だからこそ、自然とともに生きていくことを、当たり前のように叶えていく。そんな営みであり、仕事なのだそうです。

林内作業車のような機械を取り入れて、低コストで原木を流通できるようにする。
作業をしやすいように道を整える。木材として使用できない木は、バイオマスの原料にする。そんな風に、林業の世界では、人工林を少しでも手入れしていこうとさまざまな工夫が施されています。

バイオマスたんばチップ工場稼働中

バイオマスたんばチップ工場稼働中

チップに加工される檜

チップに加工される檜

生活に、密接に関連している山。
それを経験と知識と工夫で守り続ける男性たちに、頭の下がる思いでした。