「民泊」導入可否探る 丹波市ら 7市勉強会 旅館業法緩和の追い風 豊岡・但東は中学生受け入れ

各市の現状報告や修学旅行生受け入れ事例などを聞いた情報交換会=氷上住民センターで

各市の現状報告や修学旅行生受け入れ事例などを聞いた情報交換会=氷上住民センターで

ホームステイのような形で個人宅に人を泊める「民泊」が注目を集めるなか、民泊導入による地域活性化の可否を探ろうと、氷上住民センターで16日、丹波市を含む7市の関係者が情報交換会を開いた。受け入れ実績がある豊岡、京丹後両市の事例を聞き、研究者の助言を受けた。旅館業法の一部緩和が決まるなど「民泊」に追い風が吹いており、交流人口を増やす策としての期待と、既存の民宿、旅館業者とのあつれきの懸念など、率直に意見交換した。
 民泊を研究する成美大学(福知山市)の中尾誠二経営学部教授が世話役を務め、丹波、豊岡(旧但東町エリア)、朝来、福知山、京丹後、舞鶴、宮津の各市の行政や住民団体、NPOが参加。
 中尾教授は、現在は21道府県が策定している「農山漁村の民泊に関するガイドライン」(兵庫県は未策定)に基き、旅館業法の営業許可なしに農家が修学旅行生ら、いなかの生活を体験する学生を受け入れる教育民泊が広がっているが、「必ずしも適法ではなく、グレーゾーンにある」と説明した上で、これを適法化しやすくする閣議決定が昨年12月になされたことを紹介。「4月から教育目的での民泊がやりやすくなる」とした。
 丹波市では、「木の駅プロジェクト」を進めるNPO法人丹波グリーンパートナーが、林業講習会の参加者の宿泊場所の確保などを目的に「林業研修目的での民泊」の実現を模索している。福井誠・市総合政策課係長は「林業だけでなく、農業面でも民泊をと中尾教授に助言を頂いたが、情報を得ながら模索している段階」と話した。
 参加市のうち、豊岡市の旧但東町エリアは、過去からの神戸市との交流事業の延長として、中学生を受け入れている。今年度も5、6、9月に神戸市3校から90―130人程度の受け入れが決まっており、「約40軒の農家の協力が必要で、協力農家集めにがんばらないといけない」と話した。うち、営業許可を受けた適法の「農家民宿」は今年度末で8軒の見込み。
 京丹後市は、適法の「農家民宿」が19軒あり、ここを中心に教育旅行を受けている。もっと推進したい思いがありながらも、一般客向けの既存民宿や旅館なども多く、協力をと言い出しづらい側面があるという。そうは言っても、民泊は、宿泊者と宿の提供者が共同調理をしたり、農業や漁業の体験をセットにしなければいけないという点で、プロの手による料理や布団の上げ下ろしもしてもらえる既存の宿泊施設とは趣が異なることを理解してもらい、推進したい考えを示した。
 春日町と接する福知山市三和地域では、「大阪から、6000円で民泊をしてくれないかと話が来ているが、こちらに受け皿がない」と話した。
 宿泊施設を伴う公園の指定管理者を務める宮津市のNPO法人はアレルギー除去食の対応などについて質問していた。
 中尾教授は、「民泊の受け入れ農家の数を確保するには1市完結より、近隣市と連携した方が、まとまった数を受けられる」と広域で取り組む意義を説き、「個人がやる民泊はもうからないので、金もうけでないところに意義を見出す必要がある」と助言した。

 民泊 ▽旅館業法による営業許可を取った「農家民宿」で宿泊する「適法」の「ホワイト民泊」▽教育目的に限り、営業許可を得ずとも宿泊させることができる、21道府県独自の「ガイドライン民泊」▽営業許可も取らず、ガイドラインにも基づかない「ブラック民泊」―に分類される。

 2015年12月22日の閣議決定 地方公共団体が設置する地域協議会等が実施主体になり、体験学習を伴う教育旅行等の宿泊体験を農家らに依頼し、協議会が「宿泊」の対価でなく、体験学習の「指導対価」を受ける場合は、地域協議会が農家に支払う経費は宿泊料に該当せず、旅館業法の適用外とする。

【丹波新聞】