丹波黒大豆、全国に出荷中!

「まめに働く」などの語呂合わせから、新年を祝うおせち料理には欠かせない存在として親しまれている黒豆。なかでもここ丹波市で育った「丹波黒大豆『兵系黒3号』」(※1)は、煮豆にしたときの大粒な姿と、食べ応えのある贅沢な味で、多くの人の心を掴む黒豆の一つです。12月はその黒豆の収穫まっただ中。集荷を行うJA丹波ひかみ柏原営農経済センターを訪ねました。

黒豆乾燥作業中

黒豆乾燥作業中


指先がかじかむ12月、営農センターを訪れると、そこには黒豆発送で大忙しな人たちがいました。当然のことではありますが、黒豆が収穫されてから発送するまでには、手間と暇がかかります。その手間ひまは、まず丹波市内の農家さんが収穫してきた黒豆を「乾燥」させるところから始まります。既に各農家さんが自然乾燥をしている鞘ですが、莢から豆の状態にする「脱粒」の作業をしやすくするため、夕方から明朝にかけてじっくりと乾燥させます。ここでの「乾燥」はただ乾かすのではなく、湿度を与えて蒸しながら乾かす特殊な方法が用いられます。
乾燥が終わった黒豆

乾燥が終わった黒豆


脱粒作業中

脱粒作業中


「脱粒」の次に待つのは「選別」の作業。まずは機械でサイズを、次に色を、最後に人の目により選別が行われます。選別された黒豆は、それぞれL、M、屑などの規格に分けられます。たくさんの人の手が係る発送までの過程を通して、ここJAひかみ柏原営農経済センターでは、1日に1トンもの黒豆を莢なしの実の状態にしています。
選別作業中

選別作業中


最後は人の目で選別する

最後は人の目で選別する


そんな、手間ひま掛かって発送される黒豆。栽培している農家さんのこだわりを聞いてみたいところです。黒豆を栽培している谷口農園の谷口さんは、農業は「減点法」だと話します。「丹波の土であれば、誰がつくっても美味しいものができる。あとはどれだけ『手を抜かないか』が大事」なのだとか。そんな谷口さんが教えてくれた黒豆栽培のこだわりは、土のかぶせ方。土は黒豆の茎にそって高く畝をつくることで、養分を吸収する根の面積を増やす工夫をしています。茎にもられた土がある分収穫の際に土を払う作業が必要になりますが、土の養分をたくさん吸収した黒豆は、大ぶりで食べ応えのあるお豆に成長します。
谷口農園谷口さん

谷口農園谷口さん


たくさんの人の想いの詰まったこの黒豆ですので、ぜひ美味しく頂きたいものです。出荷場で知り合ったおばあちゃんがお勧めする美味しい食べ方は「黒豆味噌」。お味噌汁にするも良し、ご飯にのせて食べるのも良し。この時期になると毎日のように食べているそうです。
== 黒豆味噌の作り方 ==
1. 黒豆をぬるま湯に1日浸ける。
2. 黒豆の皮を一粒ずつ剥く。
3. 黒豆1kgに対して2kgの麹を混ぜて、ミンサーにかける。
4. 団子状にまとめて容器に空気を抜いて詰める。
5. 中蓋をして1年ほど寝かせたらできあがり。
黒豆味噌の作り方を教えてくれたおばあちゃん

黒豆味噌の作り方を教えてくれたおばあちゃん


いただいた黒豆味噌

いただいた黒豆味噌


黒豆の味噌汁は、ほど良い甘が癖になる、何杯もおかわりしたい優しい味の一品です。お味噌の他にもおぜんざいにした時は、大粒の黒豆を少しつぶして味をしみ込ませるとさらに美味しいのだとか。大粒な黒豆だからこそできる、贅沢な味わい方です。
「継続できる農業を考えて、丹波の景観を守っていきたい」と話すJAひかみ柏原営農経済センターのセンター長をはじめ、多くの人の想いと「豆な努力」の賜物である大粒の丹波黒豆、ぜひぜひご賞味ください。

「丹波黒大豆とは?」※1
「丹波黒」は、兵庫県農事試験場が古くから丹波地方で栽培されていた黒大豆の在来種を取り寄せ、品種特性の比較試験を経て、1941年に命名した品種名です。「丹波黒大豆『兵系黒3号』」は大粒、高品質で粒揃いの良いものを選別した系統で、1987年に兵庫県北部農業技術センターで育成されました。兵系黒3号の特徴は、オリゴ糖やビタミンEが多く含まれていることですが、なによりも豆煮した際の重量増加が大きく、他の大豆に比べてさらにその大きさが際立ちます。