市島町北奥・自然栽培「はじめ米」生産者、高垣創さん

 今回お話を伺ったのは、丹波市市島町北奥にて自然栽培でお米を育てる高垣創(はじめ)さんです。高垣さんは、和歌山県橋本市の農家さんのもとで2年間研修を受けたあと、お米づくりを志し、2018年に丹波市に移住しました。「まさか自分が、丹波の里山で暮らすことになるとは思っていませんでした」と笑顔で語ります。


 

哲学×農業…深まる学びと「土」との出会い

高垣さんは、大阪府松原市出身。高校時代はスケボー少年でした。そして、大学進学を機に東京へ。一人暮らしをはじめて自分と向き合う時間ができ、たまたま手に取ったプラトンの哲学書に感銘を受けて哲学の世界に引き込まれます。20代で1000冊におよぶ本を読み、そして『土』に出会います。

「自然科学に触れる機会があり、ダイナミックに活動を続ける地球の構造や、生命誕生の条件などを改めて学び、衝撃を受けました。人間が特別な存在としてではなく、普通に自然の一部として扱われてましたから。当たり前の事ですが、哲学的な視点とはまた違う世界の見方がとても新鮮でした。とりわけ命を育む『土』の力に驚き、そこに自身の哲学を表現できる場を見出しました。」

(2019年の苗代)

 

和歌山県で農業を学び、米作りを志し丹波へ
 

『土』について探求する中で、生業としての農業に魅力を感じ、自然栽培を学ぶために和歌山県橋本市に移住。自然栽培農家のもとで2年間研修生活を送りました。

「最初は30キロの米袋を持ち上げられず、慣れない鎌でよく怪我もしました。体力も知識もない状態からのスタートでしたが、一自然栽培農家として胸を張って独立できるスキルを研修を通して身に付けました。」

丹波移住のきっかけは、和歌山県の移住支援イベントにボランティアスタッフとして参加したこと。

「当時は研修終了を間近にひかえ、就農にむけて活動する段階にあり、何か転機を与えてくれる人との出会いを求めていました。」

そして、このイベントで同じくボランティアとして参加していた丹波市の地域おこし協力隊メンバーから丹波の話を聞き、一度訪ねてみることに。

「丹波で出会った人達が良かったです。なかでも、この地で自然栽培に取り組んでいた『うむ農園』さんとの出会いが、丹波で就農する決め手となりました。丹波で活躍する人達に支えられ、昨年無事『はじめ米』の販売を開始させることができました。」

 


自然栽培×100人田植え

『はじめ米』 は 、通常の稲作で使われる農薬や肥料を一切使用 せず、混じり気のない土と水、そして太陽の恵みだけで育てられています。


「もちろん手間はかかります。農薬を使わず、工夫して栽培します。こちらから肥料を与えなくても、作物はちゃんと種を残す力をもっています。そして無施肥だからこそ、一粒の種に宿る生命力を爆発させられます。すごいですよ、自然の力は。『はじめ米』の栽培を通して実感できるこの命の躍動を、沢山の人と共有したいと思っています。その思いから、田植えや稲刈りの時期になると友人に声をかけて田んぼに招待しています。」

(昨年の田植えの風景)

初年度の「はじめ米」の田植えと稲刈りには50名を超える人が集いました。今年は、目標としていた100人を超える見込みとのことです。
ピュアな土の育む力を信じてお米作りをする高垣さん。ただ食べるものとしてだけでなく、人とつながりメッセージを伝える架け橋としての「お米」の可能性を胸に、新しい芽吹きの季節を楽しみにしています。
 

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