集落の〝在り方〟検討 豪雨災害受け 余裕域設け土石流軽減 市島の谷上・下鴨阪

山裾や水路などをチェックしながら地域内を歩く住民ら=市島町谷上で

山裾や水路などをチェックしながら地域内を歩く住民ら=市島町谷上で

一昨年の丹波市豪雨災害で被災した市島町谷上自治会(葛野義広会長)と下鴨阪自治会(余田義彦会長)が、数十年先を見越した集落の在り方を地域ぐるみで検討している。特に災害時の土砂流出によって大きな被害が出た山裾での住まい方に重点を置き、山裾と宅地の間に余裕域(バッファゾーン)を設け、土石流被害を最小限に抑えることを検討している。集落が集中する山裾の住まい方や、今後の土地利用計画を考え、“持続する集落”をめざしている。
 NPO法人地域再生研究センターの井原友建さんが講師。住民参加型のワークショップで、昨年11月から、今年度末までの全9回取り組む。
 耕作放棄地を含めた農地の活用法や、災害時の危険個所のチェックを含め、どのように生活すればより良い暮らしができるかを検討。地域の中で、農業振興地や宅地とする区域、豊かな自然を残す場所などを地図上に色分けして落とし込んでいる。最終的には計画書を作り、地域における住まい方の“約束事”を決め、受け継いでいく。
 余裕域を設けるにもすぐに宅地移転はできないことから、次に新築する場合、山から離れた空き地などに建てて安全を確保するとともに、山裾を果樹園にするなどして整備を進めるといったように、災害に強く効果的な土地の使い方を考えている。
 谷上自治会は24日、検討してきた土地利用計画をイメージしやすくするため、実際に地域内を歩くフィールドワークを実施。住民20人ほどが参加し、災害時に水があふれそうな水路のチェックや、崩れる可能性がありそうな山裾を確認するなどした。葛野会長は、「もし災害が発生した場合、被害を軽減できる地域にしたい。人口も減って来るので、空き家活用も考えなければならない」と話した。
 下鴨阪自治会は29日、里山整備の先進地・滋賀県東近江市池之脇町集落を視察し、今後の土地活用法について学びを深める。余田会長は「住宅や農地、山裾での生活などを検討し、安心安全な村づくりに取り組みたい。後世の住民が暮らしやすい地域にしたい」と話している。
 市の復興プラン事業の一つ。市は両自治会をモデル地区に、ゆくゆくは全市展開を図る計画。