リヤカーで野菜販売 客との会話大切に 春日町の 婦木農園 兄弟で春日や柏原で

 

 

婦木兄弟とリアカーの写真

「丹波ハピネスマーケット」でリヤカーに野菜を載せ、お客と会話を楽しみながら販売する婦木兄弟=柏原町柏原で

春日町野村の婦木敬介さん(23)・陽介さん(21)兄弟が、自宅の「婦木農場」で作った新鮮野菜をリヤカーに積み、同町や柏原町で販売して回っている。生産者と消費者、顔が見える方法で自慢の野菜を売るとともに、販路拡大にもつながっているという。2人は「会話を大事にして販売したい。おいしさは味だけではない。野菜作りにどんな思いを込めているかという『物語』を大切にしている」と話している。
雨天などでない限り、毎週金曜は春日町黒井の商店街周辺、土曜は柏原町柏原の木の根橋周辺で売り歩いている。月に一度、同町で行われる「丹波ハピネスマーケット」にもリヤカーとともに出店している。
野菜は、その日の朝に収穫した新鮮なもの。リヤカーに載せて1―2時間ほどかけて歩く。地域住民から「今日は何があるの」「頑張っとってやね」などと声がかかり、完売する日がほとんどだ。
実家が農家で、幼いころから農業は身近な仕事だったという2人。敬介さんは農業高校に進学し、農家研修を経て、昨年2月に帰郷。陽介さんは農業とは距離を置いていたものの、「実家で農業をしたい」と、敬介さんの帰郷からほどなく故郷に戻った。
リヤカー販売は、21年前に亡くなった曾祖母・よしのさんが行っていたという。地域の人へのあいさつも兼ねて、昨年5月からリヤカー販売を始めた。近所の人から譲り受けたリヤカーを修理して使っている。
父親の克則さん(52)は、「地域の人に顔を覚えてもらい、農業に一生懸命取り組んでいることを知ってもらえる良い取り組み」と目を細める。お客の中には、よしのさんの“お得意さん”だった人もおり、「地域の人に、人として育ててもらえることもありがたい」と話す。
2人のリヤカー販売が飲食関係者の目にとまり、「野菜を使わせてほしい」と、販路拡大にもつながっている。敬介さんは「足が悪くて店に行けないから助かる、と言われることもある。今後も続けられたら」と言い、陽介さんは「新規就農者も加えてリヤカー販売すれば面白い取り組みになるかも」と話している。