丹波の気候が育む最高級品種をもっと身近に!

丹波大納言小豆農家 荻野辰男さん

小豆の中でも最高品種として知られる、丹波大納言小豆。特に京都にある老舗の甘味処では、「小豆は最高品質のものを」と丹波から取り寄せ、小豆を使ったお菓子やぜんざいなどに使用されています。
 朝夕と、昼間の気温の差が激しく、また霧も出やすい丹波の気候は農作物の品質を高める好環境ですが、あずきに関してもその通りで、濃厚で甘みのある味わいを裏付けるものとなっています。

丹波市春日町中山 荻野辰男さんの小豆畑

丹波市春日町中山 荻野辰男さんの小豆畑

今回は丹波市春日町中山でお父様の代から50年以上小豆の栽培を行っているという荻野辰男さんにお話を伺いました。
「丹波大納言小豆の特徴は、その甘さや食味もそうですが、赤色が濃く、またあずきの粒もしっかりとした俵型をしています。そして、皮が薄く食べやすいのに、炊いてもその皮が割れることがないので、『殿中で抜刀しても腹を召されない』官位の名前から『大納言小豆』と呼ばれるようになりました。」

お話しいただきました荻野辰男さん

お話しいただきました荻野辰男さん

取材・撮影に伺いました9月の下旬から10月の初旬には、小豆の花が終わりかけて、緑色のさやができていました。現在丹波大納言小豆として中心的に育てられているのは「茶さや」と呼ばれる種類で、10月の下旬には収穫、乾燥、選別を行っていく予定です。

撮影時わずかに残っていた小豆の花

撮影時わずかに残っていた小豆の花

小豆の種をまくのは7月の下旬、一番丹波地域の暑さが厳しくなるころです。荻野さんのお宅でもそうですが、春日町内の一部の農家では丹波大納言小豆をスイートコーンの後作として行っています。ちょうどスイートコーンの収穫が終わるころにあずきの種まきの時期が重なってくるからです。効率的に畑の管理ができ、また排水も良好で、土も肥沃になるので、大納言小豆の収量は増えているという実感を荻野さんはお持ちです。テレビ番組「あまからアベニュー」にとりあげられるなど、メディアの影響で、「丹波大納言小豆」が高級品質であるということを広く知られたことも、その背景にはあるようです。

スイートコーンについてもテレビ取材を受けられました

スイートコーンについてもテレビ取材を受けられました

いくら気候が適しているといっても、小豆の栽培にはほかの作物にはない苦労があります。小豆は湿気に弱く、また長く続く暑さも好みません。水はけのよい土地で栽培すると育ちやすいのですが、残暑がいつまでも続くと、虫の害に合いやすくなってしまうのもあずき栽培ならではのご苦労だそうです。また、さやを乾燥させた後は商品として出荷できるものと、粒の形や色などが基準に達しないものなどを丁寧に選別しなければなりません。
「最近は、選別所が近くにできてずいぶん楽になりましたが、その前に自分たちでも目で見て確認することが必要なので、大変な作業です。でも、甘みがあって本当に美味しい、品質の良い小豆なので、京都等の和菓子屋さんだけでなく、家庭でおはぎやぜんざいなど、気軽に作ってもらえるよう、簡単なレシピなどが共有できれば」と語る荻野さん。

花が散った後に、緑色の長いさやが付き始めています

花が散った後に、緑色の長いさやが付き始めています

年中美味しくいただけますが、冬になると特に食べたくなる、ぜんざい、あんころもちなどの甘味に欠かせない存在、小豆。10月下旬からは収穫に選別にとお忙しい日々を迎えられます。