集中豪雨から半年。

安心たまごの芦田ポートリー、新しい歩みを見つめて

 

農家の庭に飼われた鶏が卵を産み、それをいただく「庭先たまご」。
その風景は時代とともに消えてゆき、大規模経営による卵の生産が中心となりました。

食としてのたまごの安全性が問われる中、芦田ポートリー社長の芦田昭也さんは
「安心して食べてもらえるたまご」づくりに取り組み、25年以上地域の養鶏を守り続けてきました。

風通しが良い鶏舎での平飼いやケージ飼育、遺伝子組み換えでない飼料を与え、
鶏の表情や動きを見つめながら、きめ細かい養鶏が行われています。

 

芦田ポートリー外観
photo| 芦田ポートリー外観

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photo | サイズを選別されるコンベアーに載せられたたまご

 

2012年からは、大切に育てられた鶏卵を使ってスイーツの商品開発・販売を始めるなど
六次産業化にも取り組み始め、注目されていた芦田ポートリー。
その芦田ポートリーは昨年、大きな転機に見舞われました。

2014年8月16日、丹波市を集中豪雨が襲いました。
市内では店舗や工場などをふくめ122の事業所が浸水被害を受けました。
市島町にあった芦田ポートリーの平飼い鶏舎も4棟すべてが浸水し、飼育できない状態に。
生き残った鶏は、幸いにも空いていたケージ鶏舎へと10日間かけて移動を図りましたが、
鶏舎までの道路も寸断され、作業は困難を極めました。

 

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photo | 当時の状況を記録した資料

 

それまで平飼いをしていた鶏舎を解体。一度平飼いでの養鶏はストップとなりました。
現在は、水害で被害を受けた事業所を支援する経営体育成支援事業の力を借りながら、
会社のある氷上町鴨内の敷地内に新しい鶏舎を建築しているところです。

「羽数は縮小になるけど、目の行き届くところで一度じっくり鶏を飼ってみようかと。
小屋の中で平飼いをするだけでなく、少しオープンにして放し飼いという形でやっていきたい。
そういう形で半年くらい飼ってみたらやっぱり、たまごを産む母鶏の活性度、
健康度が違ってくる、顔を見ただけでわかります」

 

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photo| 養鶏について楽しそうに語る、芦田昭也さん

 

思わぬ大きな試練に見舞われながらも、芦田さんはじめスタッフの方達はそれを一つの契機にして、
もう一度じっくりと鶏たちと向き合うことを選びました。
また、今までにはなかった新しい取り組みにも挑戦しています。

 

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photo| 事務所隣の平飼い鶏舎の中で今、20羽の雌に3羽の雄の鶏がいます。

 

「今、雄を鶏舎に入れて有精卵をはじめています。
 雄を入れることで鶏の様子が、バランスとか環境の面で大きく違ってきているのを感じます。」

 


photo| 鶏たちの様子をうかがう芦田さん


photo| 芦田ポートリーの草刈り要員、メイちゃん

 

いま芦田ポートリーでは、新しい鶏舎完成に向け、
鶏の飼い方や餌の与え方に様々な工夫・研究を行っています。
新しい餌を与えるとその影響は5日くらいから表れ始め、10日くらいで明らかに質が変わってくるのだとか。
一日一日精密な記録をして、「芦田ポートリー」というブランド卵の品質を高く均一に保っていきます。
その傍ら、六次産業化としてスイーツの開発にも取り組んでいます。

「たまご農家らしいスイーツ」を追求した芦田ポートリーのスイーツは、レシピも極限までシンプルに。
シンプルだからこそ、良質な素材の味が引き立ちます。
代表メニューの「なめらかプリン」はその名の通りなめらかで柔らかく、
すんなりとスプーンが進んでいきます。口の中で柔らかくとろけて、
材料のシンプルさが意外にも思える濃厚さを醸し出しています。

 


photo| シンプルな材料の組み合わせで生まれた、クリーミーな味わい、なめらかプリン


photo| 半解凍でいただく冷たい濃厚デザート、「濃厚たまごブリュレ」。
    スプーンを入れると甘くほろ苦いキャラメリゼが、ぱりんと音を立てます。


photo| シフォンケーキはしっとり、ふんわり、きめ細かい生地が特徴。
    優しい甘みで食べ飽きない、シンプルな味わい。

 

試練の中でも足元を見つめ、できることから工夫を重ねていく。
新しい飼い方や、六次産業化にも改めて挑戦していく。
そしてまた「庭先たまご」を思わせる地域の養鶏、平飼い卵を再開させる。
そんな気持ちで今、芦田ポートリーの方々は毎日一歩ずつ前進しています。
4月に飼育再開予定です。

 


photo| 新しい鶏舎、建築中!(取材時)


photo| 3月時点


photo| 看板としてシンボル鶏が設置されたそうです!

 

 



芦田ポートリー

住所 丹波市氷上町鴨内967
電話 0795-88-9800