ボランティア大活躍 カヤの葺き替えで 山南・慧日寺 初の試み

 丹波市山南町太田の慧日寺で、国登録文化財の庫裏の茅葺き屋根の葺き替えが初めて一般ボランティアの力を借りて行われている。21―31日までの期間で手伝いを募ったところ、他県を含む各地から10数人の参加があった。野垣克已同寺総代代表(69)=同町太田=は、「初めての試みだったが、ほんとうによくやっていただけて驚いている。まずはけがや事故のないようにしたい」と話していた。

 同寺は、本堂と庫裏が茅葺き屋根。傷んだところから葺き替えており、今回作業をしている庫裏北面屋根は15年ぶり。
 これまでは職人と檀家だけで葺き替え作業を行ってきた。しかし、檀家の高齢化などで継続が難しくなっており、市まちづくり指導員の池畑美帆さんから「ボランティアを募集してみては」とアドバイスを受け、SNSや県ヘリテージマネージャーのネットワークなどを通じて初めて外部に呼びかけた。
 ボランティアは、岡山県、三木市、西脇市、丹波市、丹波篠山市などから応募があり、“即戦力”として活躍。野垣代表は「茅葺きが好きな方たちなので、愛着をもって作業してくれるのがうれしい」と喜んでいた。
 現場の棟梁は、かやぶき職人の後藤榮勝さん(80)=丹波篠山市八上上=。初日は15人が作業にあたり、午前中からさっそく屋根に上って古いカヤを引き出して下におろし、新しいものと交換していった。まだ使えるものは再度使用。「縫いぶち」と呼ばれる竹の抑えも古くなっているものは補強したり取り替えたりした。
 庫裏北面屋根は、高さ12㍍、長さ25㍍。カヤは、大阪府能勢町で600束を用意してもらった。作業期間に雨予報が続いていたため、一度にはがすのではなく、一部分ずつ新しいものと交換する手法をとっている。
 「この仕事は特にチームワークがないとあかん」と棟梁の後藤さん。職人、檀家、ボランティアらが、狭い足場の上で、それぞれが役割を考えててきぱきと作業を進めた。
 会社の休みを利用して2日間、ボランティアに参加を申し込んだという竹内光英さん(53)=丹波篠山市東浜谷=は、「紅葉の季節、お客さんにきれいな屋根を見てもらいたい。少しでも力になれたらうれしい」と話していた。
 葺き替え作業は11月末までの予定。


記事提供:丹波新聞


(写真)力を合わせて屋根の葺き替え作業を行うかやぶき職人、檀家、ボランティアら=山南町太田で