クロモジ精油新発売 葛野の里山資源利用 「かどの」 製造 アロマセラピー用に

 甘く爽やかな香りがする雑木・クロモジの精油(エッセンシャルオイル)を「株式会社かどの」(氷上町上新庄、八尾正幸社長)が9月26日、新発売する。地元の山に自生するクロモジを採取し、自社で製造した。里山資源を生かした新ビジネスで、第二弾、第三弾の商品開発も進めている。

 クロモジ属の一品種で西日本に多いヒメクロモジの葉と枝を水蒸気蒸留した精油「KOHARU 姫黒文字」(5㍉㍑瓶入り税別4500円)。ブランド名は、大正時代に「日本三孝女・節婦」に選ばれた、同地区出身の森安小春にちなんだ。原料1㌔から採取できるオイルは3―4㍉㍑とわずか。
 国立研究開発法人森林総合研究所(つくば市)で成分分析したところ、スペアミントなどに含まれるカルボン(鎮静・鎮痛)と、ラベンダーなどに含まれるリナロール(鎮静・抗不安・抗菌など)が合わせて4割弱含まれていた。他のクロモジよりカルボンの含有量は多く、リナロールは少なかった。ほかに、オレンジなど柑橘類に含まれる、抗菌効果や消化を助けるリモネンも1割強含まれていた。


記事提供:丹波新聞


(写真)地元のヒメクロモジを使い、かどのが製造・販売を始めた精油「KOHARU 姫黒文字」
 

 

 クロモジはアロマセラピーで人気の精油。ほとんどが輸入だったが、近年わずかながら国産品も製造されるようになっており、県内にも製造元がある。
 アロマセラピストや、一般向けにネット販売するほか、同社が運営する休養施設やすら樹(氷上町清住)で販売する。
 「かどの」取締役で、同社の里山資源活用部門「里山ラボ」製造責任者の三輪邦興さん(70)が2年前に精油化を発案。部品を集めて蒸留装置を手作りし、昨年から試作を重ねた。「商品化までこぎつけた。これをきっかけに、未活用の里山資源の利用にさらなる弾みをつけたい」と話している。


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(写真)自作の蒸留装置の前で原料を手にする「かどの」の「里山ラボ」のメンバー。右が責任者の三輪さん=氷上町上新庄で

 

 第二弾として、地元で摘んだ茶の実を搾ったスキンケアオイル「KOHARU 茶ノ実油」を開発済み。薬事法の「化粧品製造販売」許可を取る必要があるため、販売はしばらく先になる。茶の実油は、400㌘から26㍉㍑程度が取れる。
 同社によると、茶の実油は食用に一部使われているものの、肌用化粧品の製造は、国内3社目で、西日本では初めてになる見通しという。
 問い合わせは同社が運営するデイサービスかどの(0795・82・8355)へ。

認知症機能改善「研究に取り組む」

 「かどの」は、デイサービスを運営している。三輪邦興さんが、アロマセラピーを施すと認知機能改善効果があるとする鳥取大学の医学論文を、八尾正幸社長に紹介したのが精油製造のきっかけだった。
 同社のヒメクロモジ精油には、論文で認知機能改善効果があるとされた「ローズマリー+レモン」「ラベンダー+スイートオレンジ」に含まれる「リナロール」(華やかな甘い香り)、「1、8シオネール」(すっきりした香りと味)、「α―ピネン」(松、針葉樹の香り)、「リモネン」(柑橘系のレモンの皮の香り)が含まれている。
 これまでの認知症と精油の研究は、別植物の同成分。ヒメクロモジの研究はなく、研究に取り組みたい意向。八尾社長は、「商品化ができ、基礎ができた。地域のためになることなので、何とか共同研究相手を見つけたい」と話している。


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(写真)商品化の準備を進める地元の茶の実を搾ったスキンケアオイル